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会長より

ここ数ヵ月の間に起こった歴史的なパンデミックは、人類がお互いに調和して、そして全人類が共存する地球と調和して生きることの必要性を改めて認識する機会となりました。 致死的な新型コロナウイルスの拡散は、あらゆる大陸のあらゆる人々の生活を、想像を絶するほどに一変させました。米国での社会不安の広がりは、人種間の不平等が依然として国家の平和と繁栄を脅かすものであるという事実を如実に示しました。私たちにはできること、やるべきことがたくさんあります。   

環境保護についても、より一層注意を向けていく必要があります。「持続可能性」への取り組みは、喫緊の課題となっています。私たちが直面している気候非常事態は、もはや科学者に委ねれば解決できるような抽象的な問題ではありません。気候変動は今現実に起きていることであり、すべての大陸、すべての国、すべての個人にとっての脅威です。気候変動対策は、待ったなしの状況なのです。 

イートンは、持続可能性、つまり生活の質と環境の改善を、当社の使命の中心に位置付けています。さらに、温室効果ガス排出量の削減につながるアクションを世界各地で積み重ねることは、気候変動に対処しているビジネスラウンドテーブルの取り組みとも合致するものです。当社は、環境を保護するための意義ある取り組みが価値創造の基本であると考えており、現在、持続可能性への取り組みを大幅に強化する準備を進めています。  

この報告書では、2030年までに事業活動に伴う炭素排出量を50%以上削減し、カーボンニュートラルな事業活動を達成するための、先日発表した当社の計画の詳細をご紹介します。イートンは、意欲的な目標を追求することで、気候変動を抑制し、その破壊的な影響を緩和し、最終的には人命を救うという使命を果たしていきます。気候変動に関する科学的根拠に基づいた目標設定に加え、当社はガバナンス、透明性、そしてコミュニティへのサポートの強化を実現するための新たな基準を設けました。

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これらの目標を達成するための取り組みは、昨年の持続可能性プログラムを進化させたものです。次のページでは、イートンの包括的な戦略の概要と最新の成果についてご紹介します。これらの戦略は、「従業員エンゲージメントと能力開発による影響力の拡大」、「環境に配慮したお客様向けソリューションの構築」、「自社の二酸化炭素排出量の削減」、「強力なガバナンスと社会的責任の実証」、「イートンの持続可能性計画と進捗状況に関する透明性の高い意思疎通」という5つの柱で支えられています。

今回のパンデミックは、地球と人類の安全と安定への脅威を軽減するうえで、企業が大きな責任を共有していることを強く認識する機会となりました。健康と社会の危機に世界が対峙する中、当社は地球の健康維持への貢献を拡大させていきます。イートンにおいて、人々の生活や環境の改善を目的として行っている活動は、当社の利害関係者やグローバルコミュニティにとって、かつてないほど関連性が高く、重要なものになっています。当社は今後何十年にもわたり、大切なものの安全を守り、持続可能な方法で支えていきたいと考えています。

クレーグ・アーノルド
会長兼最高経営責任者